全ての洋服には背景、歴史があります。
Levi’sのデニムは作業着として着用され、CONVERSEのスニーカーはバスケットシューズとして使用されていました。
いつの日かファッションとして取り入れられるようになった服。そんな服の歴史や背景を紐解いていくと面白い発見があるものです。
最近春に向けて一着の「ドリズラージャケット」を購入しました。
こだわられたディテールに惚れ込んで購入したのですが、服の背景に着目するとまた面白い。
本日はそんな僕が購入した服のディテールと背景について紹介させてください。
COMOLI/コットンシルクスウィングトップ
僕が購入したのはCOMOLIの「コットンシルクスウィングトップ」。以前Youtubeでも紹介させていただいた一着です。
COMOLI(コモリ)は2011年にデビューしたブランド。デザイナーは小森啓二郎さんが務めています。
同ブランドは「日本の気候と日本人の体型あう洋服」を提案している日本のブランド。そしてこのCOMOLIの服の特徴は「過去の衣服の原型を現代風に落とし込んでいる」ところ。
本日紹介するジャケットも例に漏れず、過去の服から着想を得ています。
今回購入したのは、スウィングトップがベースのアイテム。
世に出ているスウィングトップのうち、米マックレガー社がゴルフウェアとして生産していた物はドリズラージャケットと呼びます。
ゴルフウェアであるドリズラージャケットは、アメリカの俳優ジェームズディーン氏が映画の作中で着用していたことをきっかけに、ファッションシーンに取り入れられるようになりました。
そんなジャケットをCOMOLIが現代風にデザインしたのがこちらのアイテム。
商品名の通り、シルクとコットンの混紡生地を使用しており、絶妙な艶感があります。
光の当たり方によって艶の表情が変わり、本来スポーツウェアであるドリズラージャケットを上品な日常着へと昇華させています。
裏地はポリエステルで、春アウターらしく。
黒一色で重みのあるジャケットですが、シルクの軽やかさといい、さらっと羽織れるような雰囲気の一着です。
スウィングトップにはシャツ襟と立ち襟がありますが、マックレガー社のドリスラージャケットはシャツ襟なのが特徴。COMOLIのスウィングトップもシャツ襟にデザインされています。
裾にはギャザーが入っており、ウエストでキュッと締まるようなシルエットになります。後ほど着画を載せていますが、このギャザーが良い仕事をしてくれているんです。
ジップはriri製を使用。細かいディテールにまで抜かりないところが、さすが日本を代表するドメスティックブランド。
実際に着用してみましたが、シルエットは身幅とアームにたっぷりと余裕を持たせたシルエット。その一方で着丈が短めと当時のクラシカルなシルエットを再現しています。
裾のギャザーが着丈の短さを主張するので、レイヤードも活きてくる。着丈長めのインナーを見せて着用するのが今の気分です。
太陽にあたると浮き出てくる艶めきが、より一層上品な雰囲気に仕立て上げてくれます。
どうせ着るなら晴れた日に羽織りたい。そんな一着です。
服が作られた背景を知る
「全ての洋服には背景や歴史がある」
世の中に出回っている服にはそれぞれヒストリーがあります。どこで、いつ、誰がどんな想いを持って作られたのか。
そんな背景を知ると「服を選んで着る」という何気ないことも、ちょっとだけ充実したものになるかもしれません。
服のディテールについては動画の方が伝わりやすい部分もあるかと思いますので、よろしければYoutubeにアップした動画もご覧ください。
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