当ブログ“WEARNOTE”をご覧いただきありがとうございます。
運営者のSORIN(@DECOjp0)です。
当ブログでも何度か取り上げているセレクトショップ“STUDIOUS”。
同ショップを運営する“TOKYO BASE”はアパレルの社会的地位向上を目指して「初任給で最大28万円」といった業界異例の給与形態や「渋谷手当」などの制度を導入したことで話題にもなりました。
そんな勢いのあるセレクトショップのインフルエンサーに、なんと“WEARNOTE”がインタビューしてきました。
STUDIOUS/黒田裕弥(くろだゆうや)さん
青森県出身の26歳。TOKYO BASE運営のセレクトショップ“STUDIOUS”の販売員。
持ち前の明るいキャラクターに丁寧な接客が人気で、数多くの来店客に対して洋服のコーディネート提案を行っている。
今年から旗艦店でもある原宿本店へと配属された同社の中でもカリスマ的存在のスタッフ。
また黒田裕弥(くろだゆうや)さんはファッションコーディネートアプリ“WEAR(@stst1937)”にて、多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーとしての一面も持っている。
WEARだけにとどまらずTwitter(@UYA_studious)やInstagram(@uya_studious)などの各SNSでも情報を発信し、その影響力は多数のファンを実店舗へと誘客するほど。
賛否両論ある“STUDIOUS”の販売スタイルですが、そんな彼の接客に対する姿勢には熱い想いが込められていました。
「ファッションは人を幸せにするためのツール」
ファッション業界に飛び込もうと思ったきっかけは何ですか?
もともと「ファッションは人を幸せにするためのツールの一つ」とは考えていたのですが、ファッション業界に対してそこまで良いイメージを持っていませんでした。
なんだかオシャレな人たちだけしか入れないようなショップの空気感や、オシャレに疎い人を見下しているような感じがして。笑
実は僕、ZOZOTOWNを運営していることでも有名な“スタートトゥデイ”で働いていたことがあります。
これもファッション業界に飛び込もうと思ったわけではなく、働きたいと思った会社がたまたま洋服を扱っていただけ。
「自分と関わる人を一人でも多く幸せにする。」という僕の人生の目標と、同社の企業理念が一致したのが入社のきっかけです。
そんな中で出会ったのが、今やファッション好きには欠かせない“WEAR”というコーディネートアプリでした。
自社リリースのアプリだという理由でなんとなく利用していたのですが、当時から僕のことをフォローしてくれる人はたくさんいました。
オシャレな人だけじゃなくて、誰でも真似できるファストファッション中心のコーディネートをアップし続けていたのが人気だったみたいで。
この時、自分にとって幸せを提供できる最大のツールはファッションだということを実感しました。
もしかしたら、ファッション業界に携わっている僕のルーツはここにあるのかもしれません。
ライフスタイルまでサポートするのが販売員の使命
なぜ販売員としての道を選んだのですか?
当時充実したビジネスライフを送っていたのですが、それと同時に芽生えてきたのが「新たなことに挑戦したい」という気持ち。
そこで僕の耳に舞い込んできたのが、当時はまだ旧社名だったアパレルベンチャーの“STUDIOUS”の話でした。
成長過程の企業で再びチャレンジしたいという気持ちもあって、販売員としてセカンドキャリアを歩む道を選びました。
もちろん入社当初から順風満帆に事が進んだわけではありません。
新人時代はお客様の要望に応えられず、自分の思うような接客ができないことも多々ありました。
「ファッションは人を幸せにするためのツールのひとつ」
これが僕の根底にある考え。
初心に返ったときに「ただ服を買ってもらうのではなくて、その先にある充実した生活を提供しなければならない」ということに気付かされました。
それからは洋服という「モノ」のことだけでなく、ライフスタイルや買ったその先の「コト」までを意識した販売スタイルにシフト。
コーディネートの提案だけではなくお客様のプライベートの相談に乗ったり、とにかくコミュニケーションを取ることを大事にしていきました。
そんなスタイルを貫き続ける中で、お客様との会話にとある変化が見えてきました。
「今度この買った服でデート行くので、良いお店教えて下さい。」
スタートトゥデイ時代は目にすることのなかった、お客様のリアルな幸せが見えた瞬間でした。
販売員はコーディネートだけではなくて、その人のライフスタイルまで提案するのが使命。
今では僕に会いに来てくれるたくさんの人がいます。
「自分と関わる人を一人でも多く幸せにする。」
もしかしたら、これを一番実感出来る仕事は現場に立つ販売職なのかもしれませんね。
「ただ服を売るだけ」の販売員ではいけない
販売員が「無価値」だと表現されることがありますが、それについてはどうお考えですか?
今の時代はインターネットで洋服を購入することもできますし、コーディネートの方法もネットにたくさん落ちています。
「ただ服を売るだけ」の販売員は無価値だと言われても仕方のないことだと思います。
そんな中でこれから僕たち販売員は、ネットの情報よりも有益な何かを提供していくことが求められます。
先ほど話したように僕の場合は洋服のコーディネートに加えて、ライフスタイルまでサポートすることを意識しています。
そして僕がもう一つ意識しているのは、“SNS”というツールを有効活用すること。
自身のコーディネートやおすすめの商品情報を発信するだけでなく、フォロワーの質問に答えたりコミュニケーションの場としても利用しています。
最近では流行りに乗っかってLINEブログも始めちゃいました。笑
情報社会の現代だからこそ、こういったネットを通じた発信力も付けていく必要があると思っています。
しかし僕が大事にしたいのはあくまで“face to face”の対面販売。その人のライフスタイルを加味した上でコーディネートの提案を行えるのは現場に立つ販売員だけだと思っています。
SNSを入り口に僕のことを知ってもらい、実店舗へ遊びに来てもらいたい。
小さなことでも良いです。ファッションのことで何か分からないことがあればぜひ僕に会いに来てください。
コーディネートのことはもちろん恋愛や仕事など、それ以外の部分もなんでも任してください!
インタビューを終えて…。
当ブログ初の試みでしたが、現場に立つ黒田裕弥さんのお話を聞いて考えさせられることが多々ありました。
「販売員は必要ない」
今のファッション業界の現状を見ると、残念ながらこう言われても仕方ありません。
ネットショッピングの方が効率が良いのは事実。無接客対応のファストファッションの方が洋服をじっくりと吟味できるのも事実。
しかし洋服はただのモノではなく、その先のコトに密接に関わるもの。
そのコトをストレートに提案できるのは、人間である販売員です。
情報過多と言われる現代社会。
だからこそ、今の業界には有益な何かを提供できる販売員の力が必要なのかもしれません。